IoT（Internet of Things）はさまざまな「モノ」がインターネットとつながる仕組みのことです。例えば「スマートスピーカー」。昔は決まった音楽を流すだけだったスピーカーがインターネットとつながったことで、天気やニュースを知らせてくれるようになりました。IoT分野を学ぶ魅力は、パソコン上で動くだけのソフトウェアとは異なり、自分が考えたプログラムがリアルな「モノ」を動かし、暮らしの一部になるということ。その分、プログラムだけでなくネットワークやハードについての幅広い知識も必要になります。

学生に人気の「IoT制作演習」では、ドローンなどIoTが組み込まれたハードウェアをイチから制作できる環境を整えています。モーターを動かすための基盤を自作し、機体も3Dプリンターで作ります。モーターの出力を制御するためのアプリも自分たちで開発し、「モノ」と「インターネット」がつながるIoTシステムの構築方法を身につけます。「なんで動かないんだろう…」と試行錯誤を繰り返すことで、実践的に幅広い視点を養います。

家電やヘルスケア商品のほか、工場や農業の生産ラインの効率化や、高齢者や子どもの見守りサービスなど、今後IoTはさまざまな分野に拡大していくことが予想されます。それに伴いIoT開発に必要なスキルを持つ人材の需要はますます高まっています。通常のプログラミングの知識・技術に加え、組み込む対象のハードウェアの知識や、対象とする商品やジャンルを見定めるビジネスセンスも必要となるため、ECCcomp.の設備やカリキュラムをフル活用して、経験を積み重ねてください。

「AI」の代表例は、いろんな道具を出してくれる未来から来た某ネコ型ロボットではないでしょうか。現在のAIはまだそこまで至っていませんが、YouTubeでおすすめ動画が出てくる仕組みや自動運転技術など、一つの機能に特化したAIはすでに活用されています。「AI・システム専攻」で学ぶのは、今あるAIを組み合わせたりカスタマイズしたりして世の中を豊かにする方法を考えること。そのためには最先端のAI技術にふれつつ、「これにAIを組み込めばもっと便利になるかも！」とひらめく発想力や、「これもAIで解決できるかも…」と応用できる問題解決能力も身につける必要があります。

3年次にはカメラで顔を撮影した際、瞬時にマスクの有無を判断できたり、食材を撮影したらカロリーが計算できたりするような、AIを使った画像分類・認識システムの開発に挑戦する予定です。このとき、より複雑な判断や細かな処理ができるようAIに情報処理の仕方を教える手法を「ディープラーニング」と呼ぶのですが、ECCcomp.では、実践を通してAIやティープラーニングに関する知識を深め、認定試験である「G検定」の資格取得も目指します。

最近では「Midjourney」などのお絵描きAIや「ChatGPT」などのチャットAIの精度がどんどん上がってきています。このまま進化が続けば、やがてイラストレーターやサービスセンターの仕事は完全にAIに奪われてしまうかもしれません。ITの業界でも、プログラミングの勉強をした人よりAIの勉強をした人の方が、AIを使って高度なプログラミングができるようになるかもしれませんね。しかしAIの得意・不得意を見極め、どのジャンルならAIを活かすことができるかを判断するのは私たちの仕事。AIを活かす方法を一緒に考えていきましょう！

みなさんが毎日使っているインターネットやスマートフォン。そのシステムを構築したり、メンテナンスを行ったりするための知識やスキルを学ぶのが「ネットワーク・セキュリティ専攻」です。特に近年はウイルスやネット詐欺、不正アクセスなど、さまざまな脅威からネットワークとそのネットワークに接続されているデバイスを守る「セキュリティ」部分のサービスや機能が重視されているため、その対応策やスキルも身につけます。

「ハッカー体験」はオープンキャンパスでも人気のコンテンツですが、守り方の前に、まずは攻め方から。Webサイトやアプリのどこが弱くて、どんな攻撃を仕掛けられる可能性があるのかを知ることで、対応策を考えることができます。だからECCcomp.では、仮想サイトにハッキングするなど、まずは攻撃してみるところからセキュリティを学んでいきます。これは「ペネトレーションテスト」と言って、システムに脆弱性がないかどうかを試すために、実際の開発の現場でも使われている手法なんですよ。

会社や学校などの組織に適したネットワークを設計して、何かトラブルがあればサポートをして…というのが一般的な「ネットワーク構築」のイメージですが、実はアプリを作る企画・設計・開発系の作業や、ネットワーク監視用のシステム構築以外にも、物理的に電線や携帯の基地局を設置する電気工事的な作業までさまざまな業務があります。プログラミングやネットワークエンジニアとしての知識や技術をベースに、自身の興味や得意分野に合わせた専門性を身につけることが強みになります。

「Webデザインコース」という名前ですが、おしゃれで使いやすいWebサイトの見た目をデザインすることはもちろん、作ったデザインをWebブラウザー上に表示できるファイルに変換（コーディング）するスキルも身につけます。さらにチームでオリジナルのWebサイトを立ち上げ、「誰にどんな情報を届け、どんな行動をさせるためのサイトなのか」という企画から考えたり、訪問ユーザー数などのアクセスデータを計測して改善を図ったりと、「作るだけじゃない」Webサイトのプロを目指します。

「Webサイトの作り方」って、今どきネットや本を見れば、ある程度、独学でも勉強できるんです。では、なぜECCcomp.に通う必要があるのでしょう？ その理由は「人との関わり」です。就職後、実際の制作現場はチーム制であることがほとんどです。他学年の学生や教員はもちろん、他校生との共同制作も経験できるECCcomp.なら、対面でのコミュニケーション力を磨くことができます。また「Slack」や「Microsoft Teams」などのコミュニケーションツールを活用した積極的な情報共有で、知識や技術の向上を図っています。

Webサイトに関わる技術はどんどんアップデートされていきます。通信速度が上がって扱えるデータ量が増えたことで、動画や3Dデザインを取り入れるWebサイトが増えました。またLINEなどのアプリ内サービスに関わるWebデザインの仕事も増えています。この先の展開が楽しみな業界であることは間違いありませんが、最先端で活躍する人材になるにはWebサイトを作れるだけでは不十分。自分の目指す業界や職種に合わせて能力を磨いていくことが重要です。そのためECCcomp.の3年次は、進路に応じた研究内容を学生が自由に選べるカリキュラムになっています。