ECC PLUS vol29

01
SFの世界観をベースとした
3DCGゲーム『VICE』
SFの世界観をベースとした3DCGゲーム『VICE』
作品名:『VICE』
制作期間:約1年間

ECCコンピュータ専門学校の教員5名により、3DCGゲーム開発を通じて様々な技術を学ぶことを目的に始まったプロジェクト「VICE」。SFの世界観をベースに、シックかつリアルな表現を追求した作品。制作を通じて質感表現やステージ制作の効率化、モーション制作における技術、アンリアルエンジン※1と自作エンジン双方でのビジュアル表現の研究などの追求を行いました。


※1 『エピックゲームズ』によって開発された3Dゲームエンジン、アンリアルエンジン4(UE4)を採用。
(メンバー)※右から左へ  モデリング/モーション/エフェクト担当:山本先生  キャラクターデザイン/モデリング担当:仲田先生  プログラミング担当:福井先生  UE4システム全般/リギング担当:林先生  背景デザイン/モデリング担当:田中先生
オリジナルゲーム企画第2弾『VICE』の作品はこちら!
02
先生チーム結成の経緯と
ゲーム企画第1弾をプレイバック
先生チーム結成の経緯とゲーム企画第1弾をプレイバック
福井先生:学生たちに「やれば必ずできる」と思ってもらうために、私たち教員が作品で示そうと思ったのが、プロジェクト始動のきっかけ。この取り組みは、学生への模範を示すだけでなく、私たち教員のレベルアップも狙いの一つ。第1弾の『ひなたのカナタ』は、結果として作品への手応えを覚えましたし、何よりつくっていて楽しかったですね。
オリジナルゲーム企画第1弾『ひなたのカナタ』の作品はこちら!
03
試行錯誤を重ねた
『VICE』のこだわりとは
コンセプトアート
仲田先生:週に1度、世界観やキャラクターについてミーティングを開催しました。世界観はSF、ステージは宇宙船内、デザインはリアル系。キャラクターは女性にしようという具合に決定していきました。そこからカラーやパーツといったディテールのアイデアを出し合いながら少しずつ詰めていき、結局、1カ月ぐらいは話し合っていたと思います。
もともと個人的に研究していた女性キャラクターを基に、『VICE』のモデル像をつくり上げていきました。
モデリング
田中先生:ステージの宇宙船はあまりに大きくすると、物理的にもデータにも問題が生じるため、5パターンに場面を区切って制作。5パターンの組み合わせを変えることで、 見えないベースデザインを考えました。また、背景デザインはパーツが少ないとゲームの背景が狭まってしまうので、できるだけ広く見せるために膨大な数のパーツを制作しました。
パーツが少ないと背景が狭まることから、できるだけ広く見せるために大量のパーツを制作しました。
モーション・エフェクト
山本先生:左右反転させたポージングをつくる時に便利なミラーリング※2を採用しますが、『VICE』は左右非対称デザインのため、銃の持ち手にはこだわったつもりです。キャラクターが右利きの設定のため、左手で撃ちやすい場面でも体勢を変えて右手で撃つモーションにしているので、こだわりの詰まった仕上がりになっていると思います。

※2 オブジェクトを左右対称に反転させる手法のこと。
通常のゲームの多くはミラーリングを採用していますが、今回はそれに頼ることなく、銃を構える動きのバリエーションを増やしました。
UE4システム全般・リギング
林先生:アンリアルエンジンを採用したことで、アート担当の先生からデータをいただいてゲームを起動させてみると、天井が低かったり、ステージが狭かったり、障害物が不要だったり、キャラクターの見る景色がよく分かりました。実際に動かして画面で見ると、修正すべき点がいろいろと見えてきて、ゲームの完成度をより高めることができました。
実際にゲームを起動させてキャラクター目線でゲーム空間を見たいと思い、アンリアルエンジンを導入しました。
プログラミング
福井先生:「PBR(フィジカル・ベースド・レンダリング)」※3と呼ばれるレンダリング手法を用いて、自然な光の入射と反射を表現。また、「IBL(イメージ・ベースド・ライティング)」※4を取り入れ、特別明るい光源だけを抽出してライティングを組み立てていきました。

※3 物理現象として起こっている光学現象(光の反射・散乱・屈折・吸収など)を計測し、より厳密に数式でモデル化したレンダリング手法。
※4 現実世界の全方向の光情報をキャプチャした画像を光源として用いるレンダリング手法。
PBRはより現実的な映像クオリティのCG描画などで採用され、業界では当たり前に使われている手法です。
作品を通じて学生に伝えたいこと
福井先生:表面的な技術ではなく、こだわりをもって、情熱をもって、そして何より楽しんで作品づくりに向き合うということを感じ取ってほしいですね。それは、私たちが口頭で伝えるよりも、実際につくってみせることのほうが、熱量は伝わると思っています。

これは持論になりますが、学生の技術レベルは、教員の技術レベルに比例していると思います。多くの学校は技術レベルを非常勤講師を招いて補っていますが、本校の場合は違います。常勤の先生方が高い技術を備えていることが、ECCcomp.の強みだと自負しています。
04
入学を希望する、興味がある皆さんへ
先生たちからのメッセージ
福井先生からのメッセージ  ゲーム業界は一握りの人間しか成功をつかめないほど狭き門ではありません。それを証明できるのは、ゲーム業界への就職率です。現在7割以上の学生がゲーム業界に就職していることを考えれば、みなさんにも十分チャンスはあります。  みなさんに言えることは次の三つです。一つ目は「あきらめない」。二つ目は「周りの人と比べない」。そして三つ目は「私たち教員を頼ってほしい」ということです。この三つを守ってもらえれば、きっと道が切り開けるはずです! 仲田先生からのメッセージ  まずは、「ゲームが好き」「ゲームをつくりたい」という熱い想いを持ち続けてほしいと思います。その気持ちがあれば、自主的に学習をしたり、先生に質問・相談をしたり、自分の理想に近づこうとする努力ができるはずです。  決して甘い道ではありませんが、うまくいかないことを含めて、楽しいと思える学生だけがゲームを仕事にできると考えています。私たちは、そういった学生を一人でも多く育てていきたいと思っています。ぜひ一緒にがんばりましょう!
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