ECC PLUS vol26

日本ゲーム大賞(アマチュア部門)結果

日本ゲーム大賞2020アマチュア部門 受賞作品一覧/一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会 発表

日本ゲーム大賞(アマチュア部門)は、日本中のアマチュアの個人・団体が制作したオリジナルゲーム作品を表彰するコンテスト。今年は指定された「音」を聞き、その音から連想される作品を作るという課題が与えられました。全427の応募作品の中から、ゲーム業界のトップクリエイターによる審査の結果、11作品が受賞。本校の「OVEROIL CRABMEAT」が全国一位である大賞、「ウォーターキャリー」が佳作を受賞し、見事2冠を達成しました!
01
まずは受賞作品を紹介!
大賞・優秀賞
作品名「OVEROIL CRABMEAT」

魔女にとらえられた主人公「カニっち」を操作し、食べられる前に脱出を目指すパズルアクションゲーム。プレイヤーは「カニっち」と「フライヤーの網」の両方を操作、足場となる食材やブロックをうまく動かして、油に触れないようゴールを目指します。
チーム「CRAB」の皆さん
チーム名「CRAB」
谷口さん(写真:中央)
[チームリーダー/プログラマ]
ゲーム開発エキスパートコース ゲームプランナー専攻[4年制]4年生
川西北陵高等学校出身

上田さん(写真:右)
[ディレクター/アーティスト/レベルデザイナー]
ゲーム開発エキスパートコース ゲームプランナー専攻[4年制]4年生
大阪府立北かわち皐が丘高等学校出身

比嘉さん(写真:左)
[アーティスト]
ゲーム開発エキスパートコース ゲームCG専攻[4年制]3年生
沖縄県立那覇高等学校出身

佳作
作品名「ウォーターキャリー」

降り続く雨とバケツにたまった水をうまく誘導して消火する、物理シミュレーションパズルゲーム。バケツは満タンになると底が抜け、水が落下します。火元とバケツの位置を見極め、底が抜ける前に、適切な形の木材を適切な位置に配置することが攻略のポイント。
チーム「雨天決行」の皆さん
チーム名「雨天決行」
中川さん(写真:中央)
[チームリーダー]
ゲーム開発エキスパートコース ゲームプランナー専攻[4年制]3年生
大阪暁光高等学校出身

林さん(写真:右)
[プログラマ]
ゲーム開発エキスパートコース ゲームプランナー専攻[4年制]3年生
阪南大学高等学校出身

上窪さん(写真:左)
[アーティスト]
ゲーム開発エキスパートコース ゲームプランナー専攻[4年制]3年生
大阪府立高石高等学校出身
02
さっそく受賞直後の喜びの声を
聞いてきました!
大賞【CRAB】
上田さん&谷口さん
上田さん&谷口さん
上田さん&谷口さん昨年(※)のリベンジができて嬉しいです!去年はプランナー3人のチームだったので、今年はグラフィック担当の比嘉くんを加え、ビジュアルの完成度を高めました。また、一人ひとりの経験値を高めたかったので、プログラミングは今年もすべて自分たちで行いました。友人たちに何度も試遊してもらい、操作の分かりにくいところや遊んでいてストレスを感じるところなどを一つひとつ改良していきました。昨年の挑戦も含め、これまでのゲーム制作で指摘されてきたことなど、経験すべてを詰め込んだ集大成となる作品が評価されたことは、大きな自信になりました。指導してくれた先生方、協力してくれた友人たち、支えてくれたすべての人に感謝しています。まだまだプロの世界で通用するとは思えませんが、今後もゲーム業界で頑張っていきます!

※谷口さんと上田さんは昨年、チーム「りょくちゃ」として佳作を受賞
昨年の受賞記事はこちら https://comp.ecc.ac.jp/plus/18/
比嘉さん
比嘉さん
比嘉さん昨年のファイナリストである憧れの先輩方に誘われた時は、緊張もありましたが、とても嬉しかったです。制作期間がコロナによる外出自粛期間と重なってしまい、制作はすべてリモートで行うことになりました。ビジュアル案の打ち合わせも主に電話で行ったため、お互いの反応が見えない難しさはありましたが、先輩方の指示が的確だったのでスムーズに制作を進めることができました。この経験を生かし、来年はよりゲームの世界観に沿うビジュアルにこだわっていきたいです。

佳作【雨天決行】
中川さん
中川さん
中川さん受賞どうこうよりも、とにかく緊張しました…!司会者の方にうまくいじってもらえてよかったです(笑)コロナでなかなか集まれず制作期間がタイトになってしまいましたが、3人の相性がよかったこともあり、リモートでもとてもやりやすかったです。今年に限っていえば、人数が多いチームは連携が取りにくかったと思うので、少数精鋭のチーム編成でよかったかもしれません。
林さん
林さん
林さんプログラムや演出面でこだわった部分を、プロに「中毒性がある」「通勤途中にプレイしたい」と評価してもらえたことは素直に嬉しいです。11組のファイナリストにノミネートされただけでも十分誇れる結果なのですが、やはり目の前で大賞を受賞されると今は悔しい気持ちの方が大きいです。できれば他の受賞作品を実際にプレイしてみて、今後の自分たちの課題を見つけたいですね。
上窪さん
上窪さん
上窪さんデザインは専門ではないので見た目のきれいさではデザイナーがいるチームに劣ると思います。その分、視認性を高めることや判定を分かりやすくすることにこだわり、この3人の作品としては納得のいく仕上がりになりました。ただ、大賞を狙うには、もっともっと全体的な完成度を高めないといけないということも痛感しました。ぜひ来年、リベンジしたいです!
03
緊張の発表受賞式の様子を
レポート!
例年、「東京ゲームショウ」のイベントステージ会場で行われてきた「日本ゲーム大賞」の発表授賞式ですが、今年はコロナの影響で完全オンライン開催に。ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加しました。
ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加
ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加
谷口さん「あまり人に見られている感じがしないので、去年よりやりやすいかも。」
中川さん「逆に緊張する…!」

13:00発表授賞式スタート
いよいよ発表授賞式がスタート。各チームリーダーが緊張の面持ちでスタンバイします。
ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加
13:10ファイナリスト11作品紹介
司会者がノミネートされた11作品を50音順に紹介していきます。「ウォーターキャリー」と「OVEROIL CRABMEAT」は偶然にも2作品続けての紹介に。事前に制作した各チームの紹介映像が流れ、司会者による作品紹介の後、審査員が登壇し、作品の選考理由をコメントしていきます。トップクリエイターや業界誌の編集長が自分たちの作ったゲームを試遊し、その評価を直接伝えてくれる感動と興奮の瞬間です。
ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加
「ウォーターキャリー」選考理由/株式会社セガ 大橋宣哉さん ・最初は「ありがちなゲームだなぁ」と思ったが、実際にプレイしてみると中毒性が高く30ステージでは足りないくらいハマってしまった ・降り続いている雨の一粒一粒にもしっかりと判定があるのが、このゲームのミソ ・ぜひスマホに展開して、通勤中にプレイさせてほしいと感じた。 ※当日の審査員のコメントより一部抜粋
ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加
「OVEROIL CRABMEAT」選考理由/株式会社ディー・エヌ・エー 塩見卓也さん ・3Dモデルや演出まわりのビジュアル表現のクオリティが高く、全体的な完成度の高い作品 ・オープニングムービーやチュートリアルが丁寧で、世界観や操作方法が分かりやすい ・ミスをすると「カニっち」が一瞬で天ぷらになって死んでしまうところもシュールで笑ってしまった。 ※当日の審査員のコメントより一部抜粋
14:30優秀賞受賞作品発表
11作品のなかから、優秀賞に選ばれた5作品が発表されます。発表順は「作品が事務局に提出された順」ということで、参加者はいつ名前を呼ばれるかドキドキしながら待つことに。緊張が高まる中、2作品目に名前を呼ばれたのが「OVEROIL CRABMEAT」!!
ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加
テレビ会議の画面を見ている谷口さんと、Youtubeでの生配信を見ている上田さん、比嘉さん、隣室で見守る先生たちとの間に少し時差があり、谷口さんの様子を見て「えっ、選ばれたの?!」と気づくのはオンラインならでは。
ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加
その後、発表された5作品の中に残念ながら「ウォーターキャリー」の名前はありませんでしたが、その場にいた全員が両チームの健闘を称えます。

14:45大賞受賞作品発表
ついにこの時が訪れました。優秀賞5作品のなかから大賞に選ばれるのは果たして…!

「大賞は『OVEROIL CRABMEAT』!!」
ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加
司会者の声かけに、笑顔で「ありがとうございます」と答える谷口さん。あまりに控えめなそのリアクション(喜びは内に秘めるタイプだそう)に、上田さん、比嘉さんはまたも気づけず、「え?大賞?本当に?」状態。ようやく追いついた配信を見た先生方の「うおおぉぉ!!」という喜びの声が隣室から響きわたる頃、二人もやっと受賞を実感したようでした。
ファイナリストたちはそれぞれの学校からテレビ会議形式で参加
「OVEROIL CRABMEAT」大賞選考理由/株式会社セガ 大橋宣哉さん ・シンプルなルールながらゲームスタイルに創意工夫が感じられ、とても楽しめた ・グラフィックやサウンドなどから醸し出される世界観がしっかりしており、丁寧に作られていることが伝わってくる ・グラフィックの表現手法に高い技術力を感じ、それがゲーム全体の完成度の高さに大きく貢献している ・プレイする人をしっかりと見ている「丁寧な作り」に加え、「高い技術力」と、「ゲームの面白さ」から、全体的な評価が非常に高く、今回「大賞」の受賞につながった。 ※当日の審査員のコメントより一部抜粋
大賞を受賞した「CRAB」の皆さん
3人の技術や経験が評価されたのはもちろん、作り手のこだわりだけでなく、遊ぶ人の気持ちにしっかりと寄り添ってコツコツと試行錯誤を重ねたことが大賞の受賞につながりました。

例年とは違う環境の中、様々な壁を乗り越えて受賞を果たした皆さん、改めて「おめでとうございました!!!」

ECC PLUSでは後日改めて、受賞した2チームに取材を行う予定です。
速報では伝えきれなかった受賞作品の面白さやこだわりを語っていただきますので、どうぞお楽しみに!

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